シエナは"Palio パリオ"抜きには語れません。パリオとは12世紀からの長い伝統を持つ地区対抗の馬のレースのことで、毎年7月2日と8月16日にカンンポ広場で開催され、その優勝旗もまたパリオと呼ばれます。このパリオ、地元の熱狂ぶりは想像を絶するものがあるんです。
シエナの中心部は17地区に分かれていて出場できるのは毎回10地区(10チーム)のみ。
出場できなかった7チームは次の年に参加でき残り3チームは抽選で選ばれます。この残り枠を巡る抽選会、そして勝敗を左右する馬の抽選会は、地元の人が固唾を飲んで見守り一喜一憂する場面。レースが近づくと各地区にチームの旗が飾られ熱気と興奮が増して行きます。
そうして迎える決戦の日。私も十数年前に炎天下で長時間場所取りしながら何万人もの観衆に混じって観戦したことがありますが、、レースは儚くもほんの一瞬で終わってしまいます。でもあの大歓声、興奮や緊張感はその場にいないと絶対に味わえないものです。
コースとなっているカンポ広場は貝殻の形で傾斜があり難しいコーナーもあります。馬には鞍が付いておらず落馬する騎手も。そんな危険なレースで見事優勝旗(パリオ)を手にした騎手と馬は、その地区の溢れんばかりの歓喜感涙に迎えられパリオの歴史に名が刻まれます。
皆さんも機会があればぜひ!